移動体通信分野の急速な発展を受け、携帯情報端末の市場は96年度後半から97年度にかけて、いまだかつてない新製品のラッシュを迎えようとしている。移動体通信分野のデジタル化や急速な普及と機を一にしたものであるが、シャープの独壇場だったこの分野に各社が名乗りをあげている。端末の販売価格は5万円前後で、96年度の市場規模は80〜100万台といわれ、サブノートパソコンを加えると150万台となる。1996年春に設立されたモバイルオフィス推進協議会では端末技術の標準化に動き出している。パソコンがなくてもインターネットが楽しめるテレビ、といううたい文句で1996年秋に登場したインターネットテレビは、TVにインターネット接続機能を折り込み、リモコン操作で電子メールの送受信が可能である。また、端末向けにタウン情報や企業情報を携帯端末のカラー地図とリンクさせて送信したり、CSデジタル放送によるデータ伝送、新聞社による電子新聞サービス、テレビ局による双方向テレビ、電子新聞のE−NEWSサービス開始など、コンテンツ分野も多様化が始まっている。