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トラックの配車、渋滞情報の提供、地中管管理、観光ガイド、パトカーや報道中継車の運行管理などへの利用が検討されている。GPS装置をICカード化すれば、携帯型パソコンや携帯情報端末にGPS機能を付加することも可能である。

移動体通信分野の急速な発展を受け、携帯情報端末の市場は96年度後半から97年度にかけて、いまだかつてない新製品のラッシュを迎えようとしている。移動体通信分野のデジタル化や急速な普及と機を一にしたものであるが、シャープの独壇場だったこの分野に各社が名乗りをあげている。端末の販売価格は5万円前後で、96年度の市場規模は80〜100万台といわれ、サブノートパソコンを加えると150万台となる。1996年春に設立されたモバイルオフィス推進協議会では端末技術の標準化に動き出している。パソコンがなくてもインターネットが楽しめるテレビ、といううたい文句で1996年秋に登場したインターネットテレビは、TVにインターネット接続機能を折り込み、リモコン操作で電子メールの送受信が可能である。また、端末向けにタウン情報や企業情報を携帯端末のカラー地図とリンクさせて送信したり、CSデジタル放送によるデータ伝送、新聞社による電子新聞サービス、テレビ局による双方向テレビ、電子新聞のE−NEWSサービス開始など、コンテンツ分野も多様化が始まっている。

 

(3) 進展する通信システム

コンピュータシステムは1980年代後半のダウンサイジングにより、メインフレームと端末による集中処理からパソコンやワークステーションによる分散処理へとかわってきた。分散したコンピュータ資源を共有し作業効率を向上させるため、パソコン同士がLAN*6によって結ばれたクライアント−サーバシステムが構築されるようになっている。このため、多様な機種間で多様なソフトによる情報がスムーズにやり取りできるよう、標準化された技術が採用されるオープンな環境が必要となっている。また、LANの進展には、ネットワーク・オペレーティング・システムと呼ばれる基本ソフト*7やグループウェア*8が進歩したことも大きい。既に一部では、テレビ会議システム等を活用し


*6 Local Area Network.CSMA/CD(イーサネット)方式とトークンリング方式が主流。ネットワークされた範囲が数10kmの範囲であるものをMAN(Metropolitan Area Network)、全国、全世界にまたがるものをWAN(Wide Area Network)として区別する。

*7 Net WearやLAN−Manager、WindowsNT等。

*8 Lotus Notes等。電子メールや電子掲示板、スケジュール管理、文書型データベース管理、パソコン通信やインターネット接続などの機能がある。

 

 

 

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